日本の自動車産業調達はやはり1位なのか ―― 米国サプライヤによる、2010年大手自動車メーカー好感度ランキング

 先日、嬉しい報道が目に止まった。米調査会社のプランニング・パースペクティブによると、「日米完成車大手6社に対する好感度ランキ ング」(サプライヤーが投票)で、1位はホンダで、2位はトヨタ、3位にやっとフォードが入り、4位は日産だったという。

 これは営業パーソンに向けたアンケートであるために、生産部門や技術開発部門を含めると違う結果になる可能性はある。とはいえ、これが一定の傾向 を示しているとはいえるだろう。

 このアンケートで上位になるためには「コスト削減や品質向上に向けた支援」や「サプライヤーにとっての利益獲得機会」という項目で高得点をとる必 要がある。日系の自動車メーカーの調達・購買部門は、その意味でたしかにサプライヤーに厳しいだけではなく、利益創出の姿勢を持っていると評価できるだろ う。

 同じく、自動車部品メーカーのミツバも、期を同じくして「主要サプライヤー14社に対して生産コスト低減の改善活動を支援する」と発表した。完成 車メーカーからの部品受注量が減っている中、利益減少を川下のサプライヤーに補填させるのではなく、運命共同体の構成員としてお互いにこの時代を乗り切っ ていくという試みである。これはミツバだけではなく、さまざまなメーカーがサプライヤーとともに取り組んでいる。

 サプライヤーを「他者(他社)」とみなすのではなく、自社工場の延長としてとらえる。言葉は悪いが自分の体の一部と解釈するのであれば、サプライ ヤーに対する態度は「交渉相手」ではなく「共存相手」ということになる。日本の自動車産業は、「系列切り」や「徹底競合」の時代を経て、ふたたび手厚い支 援をベースとしたサプライヤーとの「相思相愛関係」に戻ろうとしているのか。

 これは私が以前から主張している「戦略的癒着」の関係に戻ることでもある。確信のある自己流は、いつでも王道に勝る。欧米流の調達・購買において は、サプライヤーをいかに「管理」し「使いこなすか」が注目されてきた。それに対して、古き日本流が米国で再評価されていることは示唆的である。

 もちろん、自動車産業であっても、その調達・購買が1位であり続けるわけではない。ただ、不景気においてサプライヤーとの共存の試みが注目される のはある意味必然であった。調達・購買の潮流とは時代によって移り変わるものなのである。

坂口孝則(http://www.co-buy.co.jp/

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このページは、co-buyが2010年5月19日 16:07に書いたブログ記事です。

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