新興国の勃興はほんとうに脅威なのか

 先日の報道によると(帝国データバンク調査)、<新興国企業による日本企業買収、日本経済にとって「脅威になる」が78.1%>とい う結果だったという。たしかにわからないわけではない。海外資本といえば、これまでは米国圏でありヨーロッパ圏であった。それがインド・中国をはじめとす るBRICsに広がり、いまではVISTAと拡充を広げている。

 ヒッチコックの名作映画「鳥」で、人間たちを襲う鳥は共産主義者たちのメタファーだったという説がある。また、映画「エイリアン」で描かれた不気 味なものの正体は、実は赤子(幼児)の隠喩でもあった。共産主義者や赤子が悪者なのではない。そうではなく、人間はよく知らずに、これまで未経験の他者に 対して必要以上の恐怖心をいだくものなのだ。

 その意味で、新興国企業は「鳥」であり「エイリアン」であろう。だから、彼らの資本が日本を覆うことは恐怖以外の何者でもないかもしれない。

 しかし、私は根本的な疑問がある。

  • 日本企業が新興国企業を買収するという報道がなされても平気なのに、その逆がいけない、というのは明らかな差別意識ではないか
  • 日本企業が真に資本効率的な経営をしているのであれば、むしろ資本の増加は歓迎すべき事象である(効率的経営を実践しているのであれば、理論的に 経営者は交代させられることはない)
  •  資本開国以外に日本を救う道はないのではないか

この三つである。

 新興国をエイリアンと見立て、その攻撃から身を守る法案がいくつも検討されてきた。それは、完全に共存を意図せずに排除する方向でしかない。しか し、本来は外国資本を柔軟に受け入れ、日本経済を立て直す梃子とすることが重要であるはずだ。

 新興国の資本参加は脅威である。しかし、それはほんとうの意味ではなく、旧来の日本経営にとって脅威なのだ。

坂口孝則(http://www.co-buy.co.jp/

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このページは、co-buyが2010年5月20日 15:15に書いたブログ記事です。

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