食料自給率は上げなければいけないのか

 先日、食品メーカー大手が中国に食品生産を一手に任せ、それによるコスト低減を図ると発表した。ここから書くことは支障があるために、固有名詞を省いておく。私が考えたのはこのようなことである。

  • いま日本では農業ブームが巻き起こっている。しかし、やはりこのブームは、個人趣味のブームということであって、産業にすることは難しい
  • もちろん、日本産の食料が美味しいことは否定しない。しかし、日本で農業に従事するということは、コスト高を招く。やはり日本で農業をしても、コストに見合わない
  • もちろん食料自給率を上げるにこしたことはないが(ちなみに食料自給率はカロリーベースで計算をするため多々の問題を内包している)、経済的な便益を享受するためには海外に農作物生産を委託した方がいい

ということだった。

 経済学では比較優位という言葉でリカードがだいぶ前に論じている。日本は農業が比較優位な産業ではない。とするならば、海外に農業を任せて、自分 たちは違う産業に注力するという選択もあっていい。しかし、「食料自給率向上を!」と叫ばれる日本にあっては、なかなかそのような議論が起きない。

 もちろんリカードの説にも批判はある。しかし、大筋で間違ってはいない、と私は思う。経済理論はたとえ、批判を招くものであっても、長期的には正しさが証明される。

 食品大手は、食料自給率UPの叫び声のなか、やはり海外への委託を選択した。それは建前ではないリアルな事情によるものだ。

 この現実に何を思うか。私は、海外農作物の安さとともに、経済学の呪縛を見るのである。

坂口孝則(http://www.co-buy.co.jp/

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このページは、co-buyが2010年8月11日 14:35に書いたブログ記事です。

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